いろいろな結婚式
仏前結婚式

~ いろいろな結婚式のあげ方 ~

築地本願寺の本堂であげられた、武田尚さんと、近藤秀子さんの仏前結婚式をお目にかけましょう。仏前においての結婚式も、宗旨によって、いくぶんその方法の違うこともありましょうが、その根本はほとんど同じであります。

仏前結婚式次第

(1) 両家親族参列者入場着席オルガン前奏これは荘重な曲で、「仏教賛歌」の中から、頒賛などが奏せられます。それぞれの位置は、「仏前結婚式場の模様」図を参照。

(2) 新郎新婦ならびに媒酌夫妻入場別々の入口から、新郎は媒酌人に、新婦は媒酌夫人に連れられて、係りの先導に全員起立の中を入場。(写真①)

(3) 新郎新婦 中央正面卓前に起立全員は仏前に向かいます。

(4) 前奏やみ

(5) 雅楽ここで雅楽が奏せられる。

(6) 司婚者入場司婚者入場して、仏前に向かって司婚者とともに全員も合掌。
司婚者は、この結婚をつかさどる大役、多く輪番がなります。(キリスト教では牧師)

(7) 止楽雅楽がやみ、

(8)敬白、司婚者が敬自文を読みあげます。これは、きょう武田家、近藤家両家の結婚式があげられるので、仏様にもこ請臨を仰ぐという意味のことが読みあげられるのです。

(9) 楽 ここでは、鳳笙のみ奏せられる。

(10) 念珠授与

仏前に供えてある念珠を、侍者が司婚者に渡し、司婚者から、新郎には白の念珠、新婦には赤の念珠が渡されます。(写真②)この念珠授与は、神前の三々九度にあたる重要な儀式です。仏前結婚式では、念珠授与から、焼香までが、結婚式の盛り上がる最高潮といってよいでしょう。両家の希望によって、指輪交換の場合は、これを十番として、念珠授与を十二番と十三番の間に入れます。

(11) 止楽鳳笙の楽がやみ、

(12) 司婚の辞

ここで司婚者は、新郎新婦に敬愛をもって終生苦楽を共にせんことの誓いを求め、婚儀の成立を認めます。両人は頭を下げて誓いを新たにします。(写③司婚の辞一司婚者が二人に誓いを求め、婚儀の成立を認めます。真③)「司婚の辞」参照。

(13) 楽 再び鳳笙が奏せられます。
(14) 司婚者控席に
(15) 新郎新婦焼香

焼香のしかたは、焼香卓の前で一礼し、香をつまんで、そのままくべます。(いただくことはしない)一回だけ。そして合掌します。それぞれ、いただいたお念珠を左手にかけて、新郎新婦の順に焼香し、(写真④)終わって自席につきます。このとき、全員も着席。

(16) 止楽 (鳳笙がやみ)
(17) 雅楽 この雅楽の奏せられる問に、(18)、(19)が行なわれるのです。
(18) 誓杯ならびに祝杯

誓杯とは、通俗にいう三々九度のこと。三重重ねの杯を酌人が、まず新婦の前におき、上の小杯をすすめて三献つぎます。新婦が飲みほしましたら、新郎にこれをすすめ、この小杯を新婦が飲み納めて誓杯は終りとなります。(写真⑤)
次に、新郎新婦の前にかわらけの杯がおかれ、媒酌人から始まつて、(列席の人たちにはすでに用意されてある)最後に、新婦に酌人はお祝いの酒をつぎ納めます。「これをもちまして、乾杯といたします」との係りのことばに、全員起立して乾杯。「おめでとうございます」と唱和。

(19) 司婚者中央に進み
(20) 止楽
(21) 司婚者祝辞

二人の前途を祝福し、多少因縁の感ずるところ、仏様のお導きにより、結ばれたものである。この後は、楽しきにも苦しきにも、互いに手をとり合い、敬い合い、愛し合って、りっぱな人生を送るようにとの祝辞が述べられます。

(22) 雅楽
(23) 一同起立 雅楽の荘重な音の中に一同起立合掌。
(24) 司婚者退場
(25) 止楽
(26) 新郎新婦、親族参列者退場 オルガン後奏

今度は新郎新婦そろって退出します。オルガンは、今度は軽快な曲で、「仏教賛歌」の申らくえんの「楽苑」などが多く用いられます。以上で仏前結婚式は終わり、今度は新郎新婦は同じ控室に入ります。この順序は、荘厳な中に、いとも静かに行なわれますが、新郎新婦の側には、会の係りの人がそばにいて、小声でその進行をさしずしてくれますから、安心して式場に臨むことができます。

なお、ふつう、杯のあと、新郎の席に新婦が移って並びますが、ここではそれぞれの席で、式後にはじめてそろって退出となります。式場の参列は、多くの場合、人数に制限のあるものですが、この本願寺の本堂は大ぜい参列できます。他の寺院、家庭においての仏前結婚式もこれに準ずればよいでしょう。